自然災害(地震、津波、豪雨など)はいつ起こるかはわからず、常日頃からその危険性は取り上げられ、備えなどを呼びかけられることも少なくありません。ここ数年、九州地方でも多くの自然災害が起こっています。
そんな中、避難に困難を抱えていたり災害の情報が入手しづらかったりする「災害弱者」といわれる住民へのケア不足が課題となっています。
災害時に起こりうる支障と
災害弱者とされる住民
災害時には、それぞれが持つハンディキャップによって、下記のような支障が起こる可能性があります。
情報を入手する手段(インターネット等)がなかったり、言葉を理解できなかったりして、災害時に必要な情報を入手しづらい
被災を免れるための判断能力や知識が不足していることによって、回避可能な危険を回避できない
被災により日常生活行動が狭められる
日常の行動範囲が被災したことにより生活に困難をきたす
避難所生活など、急激な生活環境の変化に心理的・精神的に対応できない
災害後、経済的な理由で仮設住宅から出ることができない
上記のような支障を抱えやすい「災害弱者」として、
下記のような住民が想定されます。
ここ数年、九州地方でも多くの自然災害が起こっています。
2016年4月 熊本地震 | 2016年4月14日に前震(M6.5)が発生。その後、4月16日に本震(M7.3)が発生した。死者行方不明者273人。 |
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2016年4月 大分県中部地震 | 熊本地震の本震(ほぼ同時発生した大分県中部の誘発地震)で震度6弱の揺れに見舞われた由布市・別府市などでは、被害の拡大を招いた。 |
2017年7月 九州北部豪雨 | 2017年7月5日~6日、福岡県と大分県で集中豪雨。 死者行方不明者42人。 |
2018年7月 西日本豪雨 | 広島県、岡山県、愛媛県などに甚大な被害をもたらし、死者は200人超。 |
2019年8月 九州北部豪雨 | 長崎県から佐賀県、福岡県までの広い範囲にかけて、長時間にわたる線状降水帯による集中豪雨が発生 |
2020年7月 集中豪雨 | 熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生。 |
福岡市では、平成29(2017)年度、災害時要援護者支援制度の実施方針が変わり、市が「避難行動要支援者名簿」を直接作成するようになりました。
「避難行動要支援者名簿」とは、災害時の安否確認や避難支援、日頃の見守り活動などに役立てていただくために避難行動要支援者ご本人の同意を得て、地域の避難支援等関係者(校区・地区自治協議会等、校区・地区社会福祉協議会、民生委員・児童委員)に提供する名簿です。
その名簿の登載情報は円グラフのようになっており、同意者名簿登載者の人数はまだ少なく、再度の意向確認を実施しても未回答者が2割以上いる現状があります。
大規模災害発生時においては、行政による「公助」には限界があり、地域コミュニティによる助け合い、「共助」が重要ですから、住民の意識向上が大きな課題といえます。
災害弱者にとって、災害時にどのような課題があるのか
たとえば障がい者を例にとると、当事者や支援者へのアンケートから下記のような課題が明らかになりました。
平時からの支援体制について
避難所生活について
多様な災害弱者それぞれに
「安全な避難」「安心できる避難生活」「早期の生活復帰」の
ための体制を整備していく必要があります。
課題解決のための私たちの取り組み
災害時の避難困難者の「安心」と
被災者の「早期通常生活復帰」の実現
いつ起こるかわからない自然災害に備え、「避難行動要支援者名簿(同意者名簿)」を
活用した見守りマップ等の作成支援や、災害時に備えた平常時の見守り体制づくり、安否確認・避難誘導訓練の実施に向けた支援を行なっています。
また、近年、全国で発生した災害の災害支援ボランティア活動について、検証や分析を行ない、福岡市内での地震・洪水などの大規模災害の発生に備えて、円滑な災害ボランティア活動が行なえるよう体制整備を図っています。
ふれあいネットワーク
(避難行動要支援者名簿活用支援)
多様な主体の連携
(災害ボランティア団体等の登録)
災害ボランティアセンター運営
災害ボランティアセンター職員派遣
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