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活動レポート

災害弱者社協スタッフ・SWレポート

災害ボランティアセンターの現場から

近年、全国各地で大規模水害や地震などの自然災害が後をたちません。九州内でもここ数年、記録的な豪雨により、深刻な被害が発生しました。

大きな災害が起きた際、被災地の社会福祉協議会が中心となり、災害ボランティアセンターを開設することが多くなっています。

また、被災地の社協だけでなく各地から社協職員を応援派遣し、ボランティアのコーディネートやオリエンテーション業務などに従事して被災者の支援を行ないます。

 

今年7月の豪雨は福岡県内に大きな被害をもたらし、久留米市などに災害ボランティアセンターが開設されました。

福岡市社協では、久留米市災害ボランティアセンター(久留米市草野町・久留米ふれあい農業公園)に7月15日から職員を交代で派遣しました。

支援を行なった職員の声を紹介します。

↓災害ボランティアセンターの様子

柔軟な対応と判断力を問われた4日間

私は第3クールの7月21日から24日までの4日間、ボランティアの受付、ボランティアのマッチング、活動時の注意点を伝えるオリエンテーション、ボランティアからの問い合わせへの対応、活動内容の聞き取りなどの業務に就きました。

 

ボランティアの方々は、企業や学校で有志を募り、大人数で参加する方もいれば、1人で参加する方もいて、年齢も子どもから高齢者まで幅広く、皆さん朝早くから受付に並んでくださいました。

 

各被災者(依頼者)に応じて、土砂のかき出しや家財道具や畳の運び出し、ゴミ集積場への運搬など、依頼したい内容と人数が書かれたニードカードがあり、その内容に対応できるボランティアを振り分けて送り出します。

 

ボランティアの方々は車で活動場所へ向かうのですが、ボランティアの人数が揃っても、車が不足していたり、車が揃ったとしても、ボランティアの人数が揃っていないということがありました。

だからといって猛暑で熱中症の危険性のある中、ボランティアを屋外に長時間待機させることはできないため、マッチングや送り出すタイミングの判断がとても難しく、臨機応変に対応する力、瞬時に決断する力の重要性・必要性を感じました。

↓依頼者とボランティアをマッチング

柔軟な対応と判断力を問われた4日間
ボランティアの意欲の高さと「人の力」の影響力を実感

ボランティアの方々は猛暑のなか土砂等の埃の舞う過酷な状況での活動となり、とても大変だったと思います。しかし、活動を終了して、災害ボランティアセンターに戻ってこられた時には、どの方もいきいきとした表情で、中には「もう少し時間があれば、土砂をすべてかき出せたけど…」と心残りを感じている方もいらっしゃるほどでした。

皆さんの活動意欲の高さに驚かされましたし、初対面のボランティア同士で協力して活動する姿は印象的でした。

 

また、活動の報告を受ける中で、あるボランティアから「被災者の方に『1人では難しい作業もあり不安でしたが、ボランティアのおかげで作業が進んだし、ボランティアの方に会えて安心した。ありがとう。』と言われて嬉しかった。」という話を聞きました。

復旧・復帰に時間がかかるほど、被災者の方々の不安は大きくなります。
そのようなときにボランティアの方々が訪れると、被災者には安心感が生まれます。
たとえ1日で作業が終わらなくても「自分たちのために頑張ってくれる人がいる」という思いが生きる活力へとつながっていますし、被災者の喜ばれる姿はボランティアを動かす力にもなっており、ボランティアを通して生まれる「人の力」の大きさを実感しました。

↓オリエンテーションの様子

ボランティアの意欲の高さと「人の力」の影響力を実感
災害ボラセンでの活動を通じて感じたこと

私は災害ボランティアセンターに従事するのは初めてで、被災地を見るのも初めてでした。

各所で重機が動き、庭先に土砂が積みあがっている様子を見て被害の大きさを感じましたし、ほんの数十メートルしか離れていない家同士で被害の大きさが異なる場所もあり、その景色の違いに何とも言えない気持ちになりました。

ニュースで見る映像と実際に目にするのとでは印象がまったく異なり、深刻な状況であることを感じました。

 

一方で自身の経験不足も痛感しました。

経験豊富なボランティアは活動内容を伝えただけで必要な道具を理解してすぐ行動に移したり、災害ボランティア初参加の方々をまとめ、リーダーシップをとるなど、ボランティアから学ぶことも多かったです。

私たちの行動・判断がボランティアの活動に影響するため、落ち着いて行動し、臨機応変に対応しなければ、と思いました。

それができるようになるには、何より知識や経験が必要だと感じました。

 

また、ボランティアの方々が地域の中で活動する様子や、ボランティア同士、またはボランティアと被災者とが助け合う様子をみて、これが社協の目指す形ではないか、とも感じました。

私はこれまで「共生」や「協働」を漠然としたイメージでとらえていました。

それが今回、実像として見え、より理解できたように思います。

月並みな表現ですが、非常時はもちろん、普段から助け合えることはとても素敵なことだと思います。

今回、私たちがその関係性を築くつなぎ役となり、人と人、人と地域がつながるお手伝いが少しでもできたのなら、嬉しく思います。

災害ボラセンでの活動を通じて感じたこと
経験と学びを今後の活動に活かしたい

災害ボランティアセンターで各地の社協職員の方々と出会い、協力したことも心に残り、数日に渡る業務が終了し、それぞれが各地へ帰っていく頃にはやや寂しさを感じるほどでした。

大きな経験と学びの機会をいただいたことに感謝し、今後の活動につなげていきたいと思っています。
(ボランティアセンター 明石遥香)

経験と学びを今後の活動に活かしたい
■この記事に関するお問い合わせ

ボランティアセンター

電話番号 092-713-0777  

※この記事は令和5(2023)年10月現在の情報です。

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