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認知症の方の生活問題

認知症の方を取り巻く問題とは?

認知症とは?

認知症とは、後天的な脳の障がいによって認知機能が低下し、日常生活・社会生活に支障をきたした状態を指します。 認知症のうち、約70%はアルツハイマー型認知症です。次に多いのが血管性認知症、そしてレビー小体型認知症と続きます。 これらは「三大認知症」といわれ、全体の約90%を占めています。

認知症のグラフ

認知症の症状は?

認知症の症状は、「中核症状」と「周辺症状(行動・心理症状)」の2つに分けられます。
「中核症状」は脳の神経細胞が障害されたことによって直接起こる症状で、これは認知機能が低下した人であれば誰にでも出現するものです。「周辺症状(行動・心理障害)」は、中核症状の状態、本人の性格、身体状況、生活環境、人間関係などによって左右される症状で、その現れ方は人によって異なります。

認知症の症状は?

認知症が原因で起こりうるトラブル

平成29年(2017年)度「高齢社会白書」によると、平成24(2012)年は認知症患者数が約460万人、高齢者人口の15%でしたが、2025年には高齢者の20%、5人に1人が認知症になると推計されています。
世界規模で毎年1,000万人近くが新たに認知症になるといわれている現在、認知症が原因で生活上での混乱や
周囲とのトラブル等からいくつかの社会問題が発生しています。

  • 徘徊等により自宅に戻れない
    行方不明者
    の増加

    認知症が原因で、外出して自宅に戻れなくなり警察等に保護されることがあります。多くの場合は身元がわかり自宅に戻られますが、けがを負ったり、亡くなられてしまう場合もあります。 また、名前や住所を言えず、身元不明者のまま医療機関や施設で長期間過ごすことにもなりかねません。平成26(2014)年度の厚生労働省の全国調査でも身元不明者346人のうち35人が認知症の方となっています。

  • ゴミ屋敷、孤立死(孤独死)の増加

    自宅や庭、ベランダ、室内にゴミが山のように積み上げられたり、散乱し、悪臭や異臭、害虫が発生する原因にもなる「ゴミ屋敷」が社会問題となっています。周りが医療や介護サービスを進めても拒んだり、家にゴミを放置したままの状態は「セルフネグレクト(自己放任)」とも呼ばれ、全国で約1万人を超えると推計されています。また、認知症が原因で社会との接点が途切れ、死後数日後に発見されるケースも増えています。

  • 高齢者虐待、介護殺人

    認知症高齢者は予測できない行動も多く、介護者の身体及び精神的なストレス(介護負担)が高くなることがあります。そうしたことから、虐待を受けている方の約7割が認知症高齢者になっています。また、介護者が献身的な介護を続けていても、その疲れや先の見えない介護を誰にも相談できず、将来を悲観し、高齢者への殺害や無理心中に至るといった悲惨な事案も発生しています。

  • 消費者被害

    認知症の高齢者の場合、悪質な訪問販売等による対応や判断能力が低下し、消費者被害に合いやすくなっています。国民生活センターによると、認知症高齢者の消費者トラブルに関する相談は年々増加しています。相談内容は、健康食品の送りつけ商法やふとん販売、住宅リフォーム工事など多岐にわたります。

  • 車の運転による事故

    高齢者による交通事故は年々増加傾向にあります。認知症高齢者では、よく道に迷ってしまう、駐車場に入れた車がわからなくなる、一方通行や高速道路を逆走してしまう、ハンドルやギアチェンジ、ブレーキペダルの操作が遅くなったり間違えて大きな事故につながってしまうことがあります。

  • 契約手続財産管理

    認知症が進行すると、契約手続や預貯金の出し入れなど、これまで自分で行なっていた行為が徐々にできなくなってきます。また、さまざまな事情により家族等のサポートが得られない方も増えてきており、判断能力が低下した方の福祉サービス利用援助や日常金銭管理をサポートする「日常生活自立支援事業」や、ご本人に代わって適切な判断と手続を行なうことができる成年後見制度などの活用が広がっています。最高裁判所の統計では、令和元(2019)年12月末現在の成年後見制度の利用者数は、全国で22万4,000人となっており、5年前より約4万人増加しています。

福岡市における、認知症高齢者の現状

令和7(2025)年には高齢者の5人に1人が認知症になるという推計から、福岡市においては47,446人の方が認知症になると考えられます。単身化・核家族化が進む中、高齢者の単独世帯や高齢者のみ世帯で認知症のある人も増えていくと予測されます。

認知症に関連する社会問題も…

詐欺被害などの増加

判断能力が低下した方の福祉サービス利用援助や日常金銭管理をサポートする「日常生活自立支援事業」の対象者のうち、約半数が認知症高齢者となっています。

日常生活自立支援事業 利用者の推移

高齢ドライバーによる事故の増加

県内の交通事故発生件数は減少を続けており、65歳以上の高齢ドライバーによる事故発生件数も減少傾向にあります。ただし、全体の事故件数に対しての高齢者ドライバーが占める割合は年々増加しています。また、高齢ドライバーによる運転操作ミスの割合は、高齢者以外の約2倍となっています。

高齢者ドライバーによる事故の割合

課題解決のための私たちの取り組み

認知症を原因とした生活の困りごとの減少

  • ふれあいネットワーク

    地域住民(ボランティア)や地域団体、関係機関が連携し、支援を必要とする高齢者や障がい者・子育て家庭などを対象に、見守りや声かけ、定期訪問などを行い、支え合う活動です。
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  • 日常生活自立支援事業

    認知症や知的障がい、精神障がいなどにより、日常の生活に不安がある方が地域で安心して生活を送ることができるように、契約に基づき、福祉サービスの利用援助や日常金銭管理、書類預かり等の支援を行うものです。
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  • 法人後見事業

    親族や専門職による後見人が得られにくい人に対して、福岡市社協が法人後見人等に就任します。
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  • 家族介護者のつどい

    在宅介護者の負担を軽減し、リフレッシュを図ることを目的に、介護者がより参加しやすい校区単位・町内単位など身近な場所で実施しています。

動画で見る
「認知症の方の生活問題と福岡市社協の取り組み」

最新活動レポート

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