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活動レポート

災害弱者活動レポート

災害が起きたとき、社協の役割とは何か

近年、九州では豪雨による大規模な水害などの自然災害が後を絶ちません。

福岡県内でも、記録的な豪雨により深刻な被害が発生しています。

災害が起きたとき、福岡市社協はどんなことに取り組んでいるのか。

今回は、災害時の課題と福岡市社協の役割についてお伝えします。

近年の福岡県の主な被害状況

○令和2年7月5日からの大雨による災害

 死者2名を含む8名の人的被害があり、家屋被害は4,364件に上りました。(※)

 特に被害が大きかった大牟田市、久留米市で災害ボランティアセンター(以下、「災害VC」という。)が設置されました。

 

○令和3年8月からの大雨による災害 

 重軽症者3名の人的被害があり、家屋被害は3,364件に上りました。(※)

 久留米市では災害VCが設置されました。

 

○令和5年7月7日からの大雨による災害 

 県内で死者5名を含む12名の人的被害があり、家屋被害は6,569件に上りました。(※)

 被害の範囲が広く、久留米市、うきは市、朝倉市、那珂川市、東峰村、広川町の計6市町村で災害VCが設置され、多くのボランティアの方が被災地の復旧活動を支援してくださいました。
 (※)福岡県防災ホームページより数値抜粋

近年の福岡県の主な被害状況
災害時に想定される課題とは?

災害時が発生すると、さまざまな課題が浮き彫りになります。例えば…

○必要な情報を入手できない

 災害情報を知る手段としては、テレビやラジオ、スマートフォンやパソコン(インターネット等)がありますが、電気が止まってしまうと電化製品が使えなかったり、スマートフォンも充電が切れると使えなくなります。

 また、普段からインターネットを使い慣れていない人は、情報の集め方がわからない場合もあります。

○どこに避難するか?

 災害が発生し、自宅が危険と感じた場合に、どこに避難できるのかわからずに困ることも考えられます。「避難訓練に参加しておけばよかった」「回覧板で何となく記憶にあるが、具体的に思い出せない」という人も多く、切迫した状況の中で情報の整理がうまくいかないことも考えられます。

 

〇生活再建について
 被災された方の中には、今まで住み慣れた家や地域が災害によって、変わってしまったことにより、これからの生活を考える気持ちになれず、何から手をつけたらいいか・どこに相談したらいいかがわからずに一人で抱え込んでしまう方もいます。

災害時に想定される課題とは?
災害が起きたときの社協の役割

◇災害VC運営

 大規模な災害が発生したとき、多くの場合、被災地の社会福祉協議会が中心となって災害VCが設置されます。災害VCでは、被災者の生活の再建に向け、“ボランティア”と“被災者”をつなぐコーディネートを行なっています。

 福岡市では、福岡市が災害VCを設置し、福岡市社協が災害VCを運営することとなっています。

災害が起きたときの社協の役割

 福岡市社協では、福岡市と「災害時におけるボランティア活動に関する協定書」を締結し、災害VCの設置や運営に係る体制を整えているほか、災害時に敷地の提供が可能な大学等と災害VC設置場所に関する協定や、多様な団体と資機材の提供等に関する協定を締結しています。

 また、災害支援団体等とのネットワークづくりや、災害VC設置・運営訓練の実施など、いざという時に備えた平常時からの取組みも進めています。

◇被災地の復旧支援
 福岡市で災害が起きた際は、福岡市社協が中心となって災害VCの運営を行ないますが、他市町村で災害が起き、災害VCが設置された場合、被災地の復興を支援するため、被災地災害VC等へ職員派遣を行ないます。

 令和5年7月九州北部豪雨や、令和6年1月の能登半島地震において、被災地へ職員を派遣し、災害VCの運営支援等にあたりました。
 能登半島地震の復旧支援では、福岡市社協は珠洲市へ職員を派遣し、災害VCの運営支援に従事しました。
 主な活動は、被災者の方からの相談を受け、ご自宅に訪問し、被害状況・今後ボランティアにお願いする作業内容の確認や、ボランティアの派遣人数の調整をして、実際に集まったボランティアへ作業の説明などを中心に行ないました。
 このように被災地の復旧のために、全国の社協やボランティアと協働し、支援にあたっています。

災害等に備えて~社協の日頃からの取組み~

 大規模な災害が発生した時、社協では「災害VC運営」「被災地の復旧支援」などに取り組みます。

 ただし、災害VCが設置されても、社協の力だけで運営していくことはできません。地域の方々やさまざまな団体、企業、機関、ボランティアなどの支援・協力を得ながら一緒に被災者支援を進めていくことが求められます。
大切なのは、災害時に備えた日頃からの連携です。

 

 福岡市社協では、災害支援団体とのネットワークづくりや、災害VC設置・運営訓練の実施、災害ボランティア講座の開催など、平常時からの災害に備えた情報提供、研修会、意識啓発や動機づけにつながる取組みを引き続き行なっていきます。

 また、地域での見守り活動など日頃からのつながり作りが災害時にも役立つことの啓発や、活動の支援に引き続き取り組みます。

 災害時に限らず、普段から行なっている地域住民・団体・企業・NPO団体・行政などとのボランティア活動や地域福祉活動推進のつながりを活かし、さまざまな方々といざという時に助け合い、支えあい、協力しあえる体制づくりを継続していきます。

■この記事に関するお問い合わせ

ボランティアセンター
電話番号 092-713-0777

※この記事は令和6(2024)年9月現在の情報です。

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