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活動レポート

おひとりさまの終活社協スタッフ・SWレポート

「終活」を考える

死後に誰かに迷惑をかけてしまう‥不安を抱く人々

「親族がなく、死後に葬儀や家財処分を頼める人がいない」といった、人生の最期に不安を抱えているシニア層が増えています。実際に、親族がいないために医療同意が得られず、治療の判断に時間がかかったり、死亡の発見が遅れたりすることもあります。

亡くなった後の準備を事前にしようとしても、医療・金融・介護・不動産・相続など専門的で多岐に渡るため、準備の仕方がわからず、お墓や葬儀の生前契約に関するトラブルや悪質な商法に巻き込まれることもあります。

 

福岡市社協の「終活サポートセンター」では、市内にお住まいの方を対象に「終活」に関する相談や死後事務のサービス提供、出前講座などを行なっています。

死後に誰かに迷惑をかけてしまう‥不安を抱く人々
夫が他界し、一人暮らしの70歳女性の場合

Aさんは1年ほど前に夫が亡くなり、集合住宅で一人暮らしをしています。子どもはいません。「亡くなった後のことを頼む人がいない」という不安にかられ、民生委員の紹介で市社協の「終活サポートセンター」を訪れました。

 

終活サポートセンターの職員がAさんの相談に乗りました。具体的には、ご本人が亡くなった後、①葬儀、②遺骨・納骨・位牌、③住まい・家財処分、④財産・相続、⑤諸手続き(役所への届出、公共料金等の契約解除)をどうするのか。これらについて、Aさんと一緒に一つひとつ整理していきました。

↓相談に乗る終活サポートセンター職員(今回のケースとは異なります)

夫が他界し、一人暮らしの70歳女性の場合
葬儀や納骨先、家財処分を生前に契約

Aさんには妹がいますが、つきあいがなく、妹に財産を遺すことは考えていません。亡くなった時には祭壇を設けず、直接火葬場へご遺体をお送りする直葬を希望。納骨先との契約や自筆の遺言書の作成、祭祀財産(位牌、過去帳、遺影、遺骨など)の承継先の準備などをされました。

 

Aさんはそれらの手続きを行なった後、終活サポートセンターの「やすらかパック事業」を契約されました。この事業は、福岡市社協が身寄りのない方の葬儀や死後事務を親族に代わって行なうものです。契約後は、Aさんの見守りを行ないながら、万が一のときに備えます。

死後事務を任せることで安心を生む

自分が亡くなった後の問題を整理・準備したAさんは、「不安がなくなり、これからの生活を楽しもうという気持ちに変わった」と話します。その後、Aさんは前向きな気持ちで充実した日々を送っています。

 

Aさんが契約された「やすらかパック事業」は、毎月定額の料金で利用できるものです。このほかに「ずーっとあんしん安らか事業」も行なっています。これは葬儀や納骨先などのご希望に合わせて預託金をお預かりし、その預託金で終活サポートセンターが葬儀や納骨、家財処分などの死後事務を行なうものです。ご本人のご希望に即して、どちらの事業がいいかを一緒に考えます。

死後事務を任せることで安心を生む
【担当者の声】

「これから生きたいように生きていく」と言って生き生きと暮らすAさんを見ていると、亡くなった後を考えることは決して不吉なことでも嫌なことでもなく、今に、そして未来につながることだと感じます。

 

シニア層の増加や自然災害の猛威、新型コロナウイルスの感染拡大などによって、「終活」について考える人が増え、終活サポートセンターへの相談も増えてきています。

 

限りある人生を、どう実りあるものにしていくか―。「終活」は「これからの生き方」を考える良い機会になります。「生きたかった人生」「やりたかったこと」を実現するためにも、終活は若く元気なうちに始めることをおすすめしています。

(終活サポートセンター 吉田時成)
■この記事に関するお問い合わせ

終活サポートセンター  

電話 092-720-5356

※「やすらかパック事業」「ずーっとあんしん安らか事業」の詳細は終活のページをご参照ください。→こちら

※この記事は令和4(2022)年3月現在の情報です

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