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活動レポート

孤独・孤立社協スタッフ・SWレポート

地域支援への思い~本人の意思を尊重することとは~

私は博多区社協事務所のコミュニティソーシャルワーカー(以下、CSW)として、地域の子どもからご高齢の方、障がいのある方、子育て世帯など、幅広い方々が安心して暮らすことができる地域づくりに取り組んでいます。

具体的には、校区の社会福祉協議会が主として活動しているふれあいネットワーク(見守り活動)やふれあいサロン(地域の集い場づくり)の支援等を行なっています。
また、ボランティア講座の開催や福祉教育の推進、高齢化や地理的な特徴で買い物が困難な地域の買い物支援、地域の子ども食堂や地域カフェの立ち上げ支援等も役割の一つです。
※参考:区社協事務所の活動→こちら

地域での関わりから個別支援へ

支援の内容は多岐にわたり、地域への支援の中には、地域住民へ直接支援をすることもあります。

私が関わったAさんは、身体的な理由で自宅内のゴミを片付けることができず、いわゆる「ゴミ屋敷」状態にあり、地域の人たちからは心配の声があがっていました。
このような状態を知られたくなかったのか、Aさんは周囲との関わりを頑なに拒否しており、きっかけを見いだせずにいましたが、思うように身体が動かなくなってきたことをきっかけにご本人より相談がありました。

実際に本人にお会いしてみると、思った以上に体力が落ちていて、関係機関とも話し合い、施設の入所を提案しました。しかし、ご本人は「自宅で生活を続けたい」という強い希望を持っておられ、介護サービスを導入した生活に向けて、自宅の片付けを支援することになりました。
(写真)片づけ前の室内

地域での関わりから個別支援へ
さまざまな力を借りて130袋のゴミを処分

当日は、地域の介護施設や医療機関等の有志で結成されている「事業所ネットワーク」の方がボランティアとしてご協力くださいました。

腰ほどの高さまで積もったゴミの分別と搬出を行ない、ゴミ袋は約130袋に上りました。
重労働になりましたが、事業所ネットワークの皆さんのご協力もあり、1日で作業を終えることができました。

(写真)片づけ後の室内

さまざまな力を借りて130袋のゴミを処分
「この支援は本人のためになるのか?」という葛藤も
当初、私の心には「ボランティアで片付けをすることが本当に本人のためになるのか」という葛藤がありました。
しかし、頑なに周囲との関わりを拒否されていた中で、自宅の片付けをきっかけにサービスを利用されるようになりました。何より、ご本人の「自宅で生活を続けたい」という希望に寄り添った支援をすることができてよかったと感じています。
本人の意志を尊重しながら臨機応変な対応が望まれる

地域の人達からの相談を受けた際、今回の片付けのように目に見える課題だけでなく、話をよく聞いてみると他にも課題が見えてくることが多々あります。

そうなると社会福祉協議会だけでは対応できない場合もあります。
しかし、さまざまな課題に対し、現状の制度で対応できないことも、地域住民や団体の力を借りることによって、新たな人脈が広がり、私たちだけでは考えつかなかったアイディアや解決策が生まれることがあります。

また、目に見える課題だけに焦点を当てて支援を進めてしまうと、その場しのぎの支援に留まってしまうこともあります。
急を要する場合等もあり、臨機応変な対応は必要ですが、可能な限りご本人の意思を尊重し、ご本人の強みや持っている力にも焦点を当てることで、より継続的な支援につながると感じます。

 

これからもCSWとして、ご本人や支援機関等、地域全体で一緒に考える支援を心がけていきます。

■この記事に関するお問い合わせ

博多区社協事務所

電話番号 092-436-3651

※この記事は令和6(2024)年7月現在のものです。

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