福岡市社協では、福岡市と協力して困難を抱える子どもの早期発見・早期支援につなぐことのできる地域の関係づくり、子どもの居場所づくりを推進するにあたり、スクールソーシャルワーカー(SSW)と地域福祉ソーシャルワーカー(CSW)との連携を深めることを目的に「合同研修」を毎年実施しています。
夏休み終盤の8月25日、福岡市社協主催でこの合同研修を行ない、スクールソーシャルワーカー17名、地域福祉ソーシャルワーカー23名が参加しました。
スクールソーシャルワーカー(SSW)は社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持ち、福岡市内の小中学校などに配置されています。子どもを取り巻く環境とのつながりに着目し、福祉的な面から支援を行なっています。
地域福祉ソーシャルワーカー(CSW)は、各区社協事務所に配置されています。校区社協や地域住民と連携して、地域の困りごとの解決に向けた活動を支援しています。
合同研修では最初に、市社協職員からCSWの役割や動き、市社協の取組みなどについて説明を行ないました。その後、福岡市教育委員会の担当者からSSWの役割や具体的な支援内容等について説明がありました。
続いて、吉塚中学校区のSSWと博多区のCSWから、吉塚中学校区の事例が紹介されました。
吉塚中学校区では、「学校に行きたい気持ちがあるけど、人の多い場所は苦手」「学校以外だったら行ける気がする」という子どもたちの声を聞き、SSWとCSW・校区社協の連携によって、子どもの居場所と学習支援活動が行なわれています。
この活動を始めるには、場所やボランティアの確保において、地域の協力が欠かせません。事例紹介では、校区社協への働きかけや地域住民の理解・協力を得るための工夫、学生ボランティアへの呼びかけなど、活動開始に至るまでのそれぞれのワーカーの動きが紹介され、活動の成果や課題などについても発表されました。
その後、グループに分かれて情報交換が行なわれました。SSWとCSW、それぞれの立場からお互いの業務内容や取り組んだ事例、課題、今後の連携などについて活発に意見が出され、時間が足りないほどでした。
市社協では今後も合同研修などを行ない、SSWの皆さんと連携して、子どもの居場所づくり等の支援を行なっていきます。
●この研修を通して、CSWとSSWの顔の見える関係ができて良かった。
●学校や区での取組み、それぞれの強みを知る機会になった。今後、「子どもの居場所づくり」を展開していく際にお互いの強みを活かすことで地域の理解が深まり、実現の可能性も高まると感じた。
●事例を聞いて、声かけの仕方次第で地域の方の協力を得ることができ、それによってその後の展開が変わることを改めて認識した。
●「学習支援の場」は、課題のある子どもが「存在を否定されていないことを実感する場」として大切なもので、必要な場所づくりだと思った。
地域福祉課
電話番号 092-791-6339
※この記事は令和4(2022)年9月現在の情報です。